
●これからピアノを始めたいから、最初の1台を探している
●ヤマハPシリーズ全3機種は、どれが良いの?何が違うの?
●新しく発売されたP-145とP-225は、旧機種と何が変わった?
というアナタに楽器屋店員のyamaが、Pシリーズのメリットとデメリット、全3機種P-145/225/515の違いの比較、おすすめ機種と選び方をご紹介します。
ヤマハのPシリーズは、机に置くタイプの電子ピアノ。
ヤマハブランドで最も安いピアノタッチの88鍵盤で、キーボードよりも良いグランドピアノを録音した本格的な音色です。
趣味でピアノを始めるにはPシリーズなら、価格とYAMAHA音質でバランスに優れたP-225がおすすめです。
ただしPシリーズがおすすめな人は、限られたスペースに設置したい・机に置いて気軽に弾きたい人です。
しっかり練習したいなら適切な高さで練習できる据え置き型(ヤマハ アリウスシリーズ等)を検討しましょう。
中〜上級者にはスタジオやライブ、レッスンなどへ持ち運ぶためのセカンドピアノとしてもおすすめです。
P-145, P-225のメリット
ヤマハで最も安い88鍵盤電子ピアノ
P-145は市場相場価格52,800円。
ヤマハ製88鍵盤の電子ピアノとしては最も安いです。
これからピアノ演奏を始めたいと考えている方でも、負担なく購入することが可能です。
音源が強化されたP-225の市場相場価格は68,200円。経験者のセカンドピアノとしても、購入しやすい価格です。
ヤマハのグランドピアノを録音した音色


ヤマハのグランドピアノを録音した音色を使用しています。
安価なキーボードとは異なる、深みのある音色でピアノ演奏がもっと楽しくなります。
2機種の音色の違いは後ほど解説します。
グランドピアノと同等の鍵盤の大きさ
グランドピアノと同等の鍵盤の大きさを持っています。
これにより、実際のピアノと同じ感覚で演奏することができます。
これは、ピアノの練習を始める初心者にとって、正しい指の位置や動きを学ぶのに非常に有効です。
キーボードとは違うピアノタッチを実現するGHC鍵盤


キーボードやシンセサイザーでは薄い鍵盤でタッチが軽いため、ピアノ経験者には弾きづらいと感じるかもしれません。
しかしP-145とP-225では、GHC鍵盤を採用しています。
低音部では重く、高音部では軽くなるように、音域によってタッチ感を段階的に変化させて、ピアノ特有のタッチ感を再現しています。
新たに設計したGHC(グレードハンマーコンパクト)鍵盤は、内部の機構をコンパクトにしたことで、楽器本体のスリム化を実現しています。
本体サイズがコンパクトで、家のどこでも置きやすく、持ち運びにも最適


本体サイズがさらにコンパクトになり、家のどこでも置きやすく演奏場所を選びません。
大人の方がこれから趣味で始める際には、卓上で気軽に弾けるのでおすすめです。
また、軽量で持ち運びにも最適なので、スタジオやライブハウス、レッスン先など、好きな場所に持ち運べます。
アプリ「スマートピアニスト」対応


ヤマハのアプリ「スマートピアニスト」に対応しています。
スマートフォンやタブレットを使って、音色の変更やメトロノームなど、さまざまな機能を簡単に操作することができます。
また、バイエル、ブルグミュラー、ツェルニー、ハノンなど、クラシック曲303曲のPDF楽譜を表示できます。


【P-225のみ】Bluetoothオーディオ対応
スマホやタブレットとBluetoothで無線接続することで、音楽を流しながら一緒にピアノの演奏ができます。
好きな曲と一緒に弾いたり、YouTubeのレッスン動画などを流しながら演奏できるので、練習も捗ります。
スマホの小さいスピーカーよりも良い音で再生されますし、ステレオの広がりも良いです。
BGM用のBluetoothスピーカーとして使える、良質なサウンドで音楽を楽しめます。
P-145, P-225のデメリット
スタンド別売りなので適切な高さでの演奏が難しい
P-145とP-225はスタンドが別売りとなっています。
卓上で”気軽に”演奏できるのはメリットですが、本来の演奏に理想的なピアノの高さで演奏するには、追加の費用が必要です。
別売りスタンドを買うと、据え置きが買える


スタンドを別売りにすることで、本体価格を抑えています。
しかし専用の別売りスタンドとペダルは合わせて、約22,000円。
安い据え置き型が買える金額になってくるので、持ち運びの必要がないならこちらの記事で紹介している安い据え置き型電子ピアノの方が良いかもしれません。


アプリの接続が面倒
アプリ「スマートピアニスト」に対応していますが、接続には有線、もしくはiOSのみ別売のアダプター使用でBluetooth接続が可能です。
昨今のアプリ対応電子ピアノは、手軽にBluetoothで端末と接続できるものがほとんどですので、この仕様は残念ですね。
P-225は音声再生のみ、Bluetoothが別売りアダプター無しで使用可能です。


旧機種P-45とP-125からの変更点




仕様項目 | P-45 | P-145 | P-125 | P-225 |
---|---|---|---|---|
発売日 | 2015年6月 | 2023年7月 | 2018年6月 | 2023年7月 |
本体色 | ブラック | ブラック | ブラック、ホワイト | ブラック、ホワイト |
幅 | 1326mm | 1,326mm | 1326 mm | 1,326 mm |
高さ | 154mm | 129mm | 166 mm | 129 mm |
奥行き | 295mm | 268mm | 295 mm | 272 mm |
質量 | 11.5kg | 11.1kg | 11.8 kg | 11.5 kg |
鍵盤種 | GHS鍵盤 | GHC鍵盤 | GHS鍵盤 | GHC鍵盤 |
ピアノ音 | AWMステレオサンプリング | AWMステレオサンプリング | RGE スタンダードⅢ音源 | ヤマハ CFXサンプリング |
最大同時発音数 | 64 | 64 | 192 | 192 |
音色数 | 10 | 10 | 24 | 24 |
ヘッドホン | 標準ステレオx1 | 標準ステレオx1 | 標準ステレオx2 | 標準ステレオx2 |
スピーカー | 12cm×2 | 楕円(12cm×8cm)×2 | 12 cm×2+4 cm×2 | 楕円(12cm×8cm)×2+5cm×2 |
P-45とP-125の後継機種が、今回発表されたP-145とP-225です。
最も大きな変更点は、鍵盤がGHS鍵盤から専用開発されたGHC鍵盤を採用したことで、奥行きと高さがコンパクトに、重量も軽くなった点です。
また、P-225はヤマハ最高峰のコンサートグランドピアノ「CFX」の音色を搭載し、「バーチャル・レゾナンス・モデリング ライト(VRM Lite)」搭載。
ヤマハの据え置き型電子ピアノYDP-145と同等の音質の良さを、卓上ピアノで実現しました。
ちょうど新機種が出たばかりなので、今のところ旧機種のP-45とP-125は安く売っています。
サイズや音源にそこまでこだわりがなければ、安い旧機種を今のうちに購入するのも悪くないかもしれません。




Pシリーズ全3機種P-145/225/515の違い比較と選び方






ヤマハの卓上ピアノP-シリーズの、現在購入可能な3機種の違いを比較します。
仕様 | P-145 | P-225 | P-515 |
---|---|---|---|
市場相場価格 | 52,800円 | 68,200円 | 170,500円 |
カラー | ブラック | ブラック、ホワイト | ブラック、ホワイト |
寸法 (幅 x 高さ x 奥行き) | 1,326mm x 129mm x 268mm | 1,326mm x 129mm x 272mm | 1,336mm x 145mm x 376mm |
質量 | 11.1kg | 11.5kg | 22kg |
鍵盤数 | 88 | 88 | 88 |
鍵盤種 | GHC鍵盤 黒鍵マット仕上げ | GHC鍵盤 黒鍵マット仕上げ | NWX(ナチュラルウッドX)鍵盤、木製白鍵、合成樹脂黒鍵 |
ピアノ音 | AWMステレオサンプリング | ヤマハ CFXサンプリング | ヤマハ CFX、ベーゼンドルファー インペリアル |
最大同時発音数 | 64 | 192 | 256 |
音色数 | 10 | 24 | 40音色 + 18ドラム/SFXキット + 480 XG音色 |
アンプ出力 | 7W x 2 | 7W x 2 | 15W x 2 |
スピーカー | 楕円(12cm x 8cm)x 2 | 楕円(12cm x 8cm)x 2 + 5cm x 2 | (16cm + 5cm) x 2 |
消費電力 | 6W | 9W | 15W |
Bluetoothオーディオ | なし | あり | あり |
対応スタンド | L-100 | L-200 | L-515 |
対応3本脚ペダル | LP-5A | LP-1 | LP-1 |
P-145


ヤマハの中で最も安い88鍵盤の電子ピアノです。
88鍵盤の生ピアノと同じフルサイズ鍵盤とタッチを持つ鍵盤と、ヤマハのグランドピアノからサンプリングしたリアルな音色が特徴です。
新開発のGHC(グレードハンマーコンパクト)鍵盤により、キーボードのような軽いバネ式ではない、本格的なピアノタッチの弾き心地を実現しています。
また、グランドピアノから録音した音源ではありますが、下位グレードの音源なので、やや聞き劣りします。
同時発音数も64音で、一番少なく性能は低めです。
個人的にはもう約1.5万円予算を上げて、P-225にした方がおすすめ。
音の満足度が飛躍的に向上するので、練習のモチベーションも上がるからです。
●安心のヤマハブランドで、とにかく安い88鍵盤電子ピアノが欲しい
●Bluetoothオーディオは必要ない


P-225


Pシリーズで価格と性能のバランスに優れ、最もおすすめの機種がP-225です。※前機種P-125もシリーズ一番人気でした。
P-225は、P-145のすべての機能に加えて、より高品位な音質と演奏体験を提供します。
音源はヤマハグランドピアノの最高機種CFXを録音した「ヤマハ CFXサンプリング」を採用。


加えて「バーチャル・レゾナンス・モデリング ライト(VRM Lite)」技術と、スピーカーの数も増えたことで、グランドピアノ特有の複雑な共鳴音を付加した力強くきらびやかで表情豊かな音色を再現しています。


大きな音量が出せない、日本の住宅環境でも最適な音色で演奏できる機能が充実。
楽器の音量に応じて、自動的に音質を補正する「インテリジェント・アコースティック・コントロール(IAC)」を搭載しています。
小さな音量では、高音と低音の区別がつきにくい人間の耳の特性に合わせて、高音と低音の音量をわずかに上げて、聞き取りやすく自動で調整してくれます。


ヘッドホン使用時にもこの機能は有効になることに加えて、「ステレオフォニックオプティマイザー」機能により、アコースティックピアノの前に座って弾いているかのような音の広がりまで再現。
長時間の練習でも耳に優しく、快適に演奏を楽しむことができます。
同時発音数は192もあるため、ポピュラー・ミュージックはもちろん、高度なクラシック曲にも対応できます。
ただし専用のスタンドとペダルを揃えるとヤマハアリウスシリーズの方との価格差がほとんどなくなります。テーブルで使わず据え置きで使うことが前提ならアリウスの方が良いです。
これらの音色の良さと、持ち運びやすさは、初心者のみならず、上級者がライブやレッスンで持ち運ぶためのセカンドピアノとしても最適。オプションで専用ソフトケースSC-KB851もあります。


●ピアノのことはよくわからないけど、安心のヤマハ品質でこれから始めたい
●据え置き型は置き場所に困るから、テーブルに置いて演奏したい
●キーボードではなく、ピアノタッチの鍵盤で正しいフォームを身につけたい
●持ち運び用のセカンドピアノを探している中〜上級者




P-515


Pシリーズの最上位機種で、持ち運びできるサイズの電子ピアノとしては他ブランドを含め最高級の鍵盤を採用しています。
良い木製鍵盤と音源という点では、据え置き型のアリウスシリーズより優れています。
ただし17万円と高額なので「最高の鍵盤で、卓上で使う or 持ち運びできる」という使用目的が明確な人のみにおすすめします。
音源はヤマハ製グランドピアノCFXに加えて、ベーゼンドルファー社インペリアルの2種類のコンサートグランドピアノ音を搭載。その他数十種類以上の音色も搭載しており、あらゆるジャンルのバンド演奏にも使えます。
ナチュラルウッドエックス(NWX)鍵盤は、生ピアノを熟知しているヤマハならではの木製鍵盤。生ピアノのように打鍵時にハンマーがから弦が離れる感覚の「エスケープメント機構」を搭載し、上質なタッチを実現しています。
家でしか弾かずスタンドに置きっぱなしということであれば、据え置き型のアリウスシリーズやクラビノーバシリーズの方が、スタンド・ペダル・椅子も付属して価格的にもおすすめです。
●テーブルの上で弾きたいけど、タッチはできる限りリアルなものが良い
●持ち運んで使いたいけど、タッチはできる限りリアルな木製鍵盤のものが良い
●バンドでの演奏にも対応できる多様な音色数を、木製鍵盤で演奏したい




P-145とP-225は7月27日発売予定
一部楽器店では7月11日より予約受付中です。
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