初心者ピアノの最適解 CASIO PX-S1100 レビュー【PX-S3100との違い比較】

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・趣味でピアノを始めたい
・できるだけコンパクトに置けるサイズが良い
・コスパの良い電子ピアノが良い
・楽譜が読めないけどゲームは好き

というアナタに楽器屋店員のyamaが、ピアノ初心者に最もおすすめする電子ピアノカシオPX-S1100を徹底解説します。

CASIO PX-S1100のレビュー

カシオPX-S1100は今からピアノを始めたい、再開したいライトユーザーに最適な電子ピアノです。
コンパクトかつスタイリッシュなルックスで、お部屋に置いても圧迫感がありません。

鍵盤はピアノタッチなので、キーボードよりも格段に弾きやすさに優れています。

最新の無料アプリではゲーム感覚で曲の練習できる機能もあります。

上位機種にPX-S3100がありますが、シンセサイザー的な機能が多く加わっているだけで、ほとんどの人は安い方のPX-S1100でも十分満足できるでしょう。

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目次

CASIO PX-S1100特徴

①:コスパ最強88鍵盤電子ピアノ
②:世界最小卓上電子ピアノ
③:Bluetoothオーディオ/アプリ対応
④:ヘッドフォン出力2つ
⑤:単三電池駆動可能
⑥:USBメモリへ録音可能
⑦:MIDIデータワイヤレス通信可能

特徴①:コスパ最強88鍵盤電子ピアノ

画像はcasio.comより引用

これから趣味でピアノを始めたいという人にもピッタリ。ピアノタッチの88鍵盤の卓上電子ピアノで一番おすすめです。

6万円台前半の価格ながら、電子ピアノならではの便利な機能が満載。詳細は後述しますが、楽器として一番大事な音と弾きやすさも優秀です。

音はカシオ独自のマルチ・ディメンショナル・モーフィングAiR。横文字でよくわかりませんが、要するにグランドピアノを目指した良い音です。

グランドピアノは鍵盤をひとつ鳴らしただけでも、他の弦や響板など楽器本体全体に共鳴します。そのため1音だけを伸ばしても、微妙な揺れや音の広がりを感じます。これをなかなかリアルに再現しています。ここが昔の電子楽器とは違ってかなり音が良くなっているのです。

例えば低音域を弾けば左側から聞こえてくるように、といった臨場感も心地よく演奏できるポイントです。

もうひとつ大事な弾き心地=鍵盤です。

素材自体こそ樹脂製(生ピアノは木製)ですが、表面の仕上げが少しマットな象牙調の白鍵と黒檀調の黒鍵です。安い電子ピアノによくあるいかにもプラスチックなツルツルな仕上げじゃないので、滑らかな触り心地が良いです。

そして奥行きをコンパクトにしながらも、程よい重さのピアノタッチを実現しています。本物と同様、低音部は重く、高音部になれば軽くなっていきます。

特徴②:世界最小卓上電子ピアノ

どんなお部屋にも置けることを目指し、ピアノタッチでスピーカー内蔵の88鍵盤電子ピアノでは世界最小クラスのサイズ。

奥行きと高さは驚異的なコンパクトさ。

機能も多いのに業界最軽量を実現しています。これはカシオという会社が、腕時計などで必要な機能を最小限のパーツや配置で組み上げる、精密機器製造に長けているからでしょう。

本体の重量も11.2kgと非常に軽量。同じ卓上88鍵電子ピアノと比較するとRoland FP-30Xは14.8kg、YAMAHA P-125は11.8kg。

特徴③:Bluetoothオーディオ/アプリ対応

スマホやタブレットとBluetoothで無線接続することで、音楽を流しながら一緒にピアノの演奏ができます。

好きな曲と一緒に弾いたり、YouTubeのレッスン動画などを流しながら演奏できるので、練習も捗ります。

ピアノ用のスピーカーなので低音から高音までスムーズに再生されますし、ステレオの広がりも良いです。BGM用のBluetoothスピーカーとして使ってもいいくらい、良質なサウンドで音楽を楽しめます。

カシオ専用無料アプリ「CASIO MUSIC SPACE」を使えば、さらに多彩な機能が満載。

音ゲーのように楽譜が読めなくても次に弾く鍵盤がわかるピアノロールや、楽譜表示、音色など各種設定を行えます。

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特徴④:ヘッドフォン出力2つ

夜間の練習時などスピーカーが鳴らせない時でも、ヘッドフォンを使えば十分な音量で演奏できます。

ちゃんと演奏者側(鍵盤側)についているのも嬉しいポイント。

しかもヘッドフォンを2個同時に接続できるので一般的な連弾を弾いたり、鍵盤の真ん中から左右で同じ音程に分割することもできるので、親子ふたりで一緒に練習することもできます。

特徴⑤:単三電池駆動可能

付属のアダプター以外にも単三電池6本でも駆動します。音量などにもよりますが、およそ4時間使えます。

既にピアノは所有していても、持ち運んで演奏したいという人にも便利です。

特徴⑥:USBメモリへ録音可能

練習でおすすめなのが、自分の演奏を録音して客観的に聞くこと。

市販のUSBメモリを使えば、PX-S1100での演奏を録音でき、PC等でも再生することも可能です。

特徴⑦:MIDIデータワイヤレス通信可能

卓上電子ピアノでは現在カシオPX-Sシリーズのみ!付属のワイヤレスMIDI & AUDIOアダプター(WU-BT10)で、無線MIDIキーボードとして使えます。

スマホ/タブレットやPCとBluetooth接続すれば、演奏をMIDIデータで送信できます。

Grage BandなどDAWソフトに送ればレコーディングにも使えますし、音源ソフトがあればピアノ本体に入っていないサウンドを鳴らすこともできます。

鍵盤を押してから接続機器側の音が鳴るまでのレイテンシ(遅れ)は、無線では避けられません。しかしカシオ独自技術により快適に演奏できるレベルに改善されています。

ワイヤレスだとケーブルで雑多になりがちなDTM環境でも嬉しいですね。音楽制作活動やSNSでの演奏動画投稿が捗りそうです。

デメリット

①:黒鍵が白鍵より軽すぎる批判
②:指紋が付きやすいデザイン
③:付属ペダルがしょぼい

デメリット①:黒鍵が白鍵より軽すぎる批判

日本ではあまり言われてなさそうですが、本物のピアノよりも白鍵と黒鍵の重さのバランスが違うとのことで、海外YouTuberが欠陥品という強い言葉でレビューしているものもあります。

ゴリゴリのクラシックを弾き倒すような技術がある人だと、演奏に違和感があるようですが、6万円台の軽量な電子ピアノにそれは求めすぎです。

憶測ですがカシオさんからすれば、できる限り良いものと軽量コンパクトを低価格で実現するためのバランスを取った結果であり、そこに文句を言う人はもっと高いやつ使ってください、ってな感じでしょう。

気にするほどじゃないどころかずっと弾いていられるという別のYouTuberもいます

これは初心者や趣味レベルでピアノを楽しむ人には、神経質になるほどの問題じゃないということです。

事実、角野隼斗(cateen-かてぃん)氏などトッププレイヤーも使用しています。

https://www.youtube.com/watch?v=sbxAfHlWDV8

デメリット②:指紋が付きやすいデザイン

多くの設定はタッチ操作にしたことで、できる限りボタンを廃した無駄のないスタイリッシュなデザインもまた、従来の電子ピアノとは一線を画します。

この操作面を含む上面パネルはガラスのような光沢感ある仕上げです。

なので操作の度に確実に指紋がつきます。特に黒だと余計に目立ちます。

メガネ拭きのようなマイクロファイバークロスで拭き取れますが、面倒に感じるかもしれません。

アプリを使って、スマホ・タブレットから音色選択とはじめとする設定変更も行って凌ぐのもありかもです。

デメリット③:付属ペダルがしょぼい

当機種に限った話ではないですが、卓上電子ピアノに最初から付属しているダンパー用のペダルは、ただのスイッチのような形です。

床に置いて踏めば機能としては問題ないのですが、小さいから動きやすく固定しづらいのが難点です。

最初は良いですが、ペダル演奏にストレスを感じるようになったら、ペダル形状のものか、3本足ペダルに買い替えるのが良いです。

どっちが買い?上位機種PX-S3100との違い比較

卓上のPrivia(プリヴィア)シリーズには上位機種PX-S3100もラインナップ。PX-S1100との違いを解説します。

PX-S1100/PX-S3100共通仕様

PX-S1100
PX-S3100
鍵盤数88
鍵盤スマートスケーリングハンマーアクション鍵盤(表面仕上げ 白鍵:象牙調、黒鍵:黒檀調)
音源マルチ・ディメンショナル・モーフィングAiR
最大同時発音数192
エフェクトホールシミュレータ、サラウンド、ブリリアンス
ペダルスイッチ型SP-3付属
3本ペダルSP-34対応(別売)
スピーカー16cm×8cm(楕円形)× 2
アンプ出力8W + 8W
サイズ幅1,322×奥行232×高さ102mm
重量PX-S1100:11.2kg
PX-S3100:11.4kg

前述の特徴を含めたこれらの仕様はどちらも同じです。

簡単に言えば、ベーシックなピアノの音は同じ。鍵盤も同じなので弾きやすさも同じです。

PX-S1100/PX-S3100仕様違い比較

違いPX-S1100PX-S3100
市場相場価格62,000円〜64,900円86,000円〜90,200円
カラー3色(ブラック/ホワイト/レッド)1色(ブラック)
音色数18700
デモ曲1曲6曲
内蔵曲60曲なし(アプリで使用可能)
リズムパターンなし200
自動伴奏機能なしあり
録音MIDI:2トラック1曲 オーディオ:99曲MIDI:3トラック5曲 オーディオ:99曲
電池駆動時間約4時間約2時間
消費電力10W15W
リバーブなし8種類
コーラスなし12種類
DSP一部音色に組み込み済み音色組み込み+プリセット100種、編集可
アルペジエーターなし100種
ミュージックプリセットなし310
レジストレーションなし96セット(4セット×24バンク)
オートハーモナイズなし12種類
液晶ディスプレイなしバックライト付きフルドット液晶
ピッチベントホイールなしあり
接続端子
※●の箇所が違い
・ラインアウト×2(L/MONO、R 標準ジャック)
・USB Type A、USB Type B
・ダンパーペダル1
・3本ペダル用コネクタ
・ヘッドフォン×2 ステレオミニジャック
・ラインアウト×2(L/MONO、R 標準ジャック)
・USB Type A、USB Type B
・オーディオイン ステレオミニジャック
・ダンパーペダル1
・3本ペダル用コネクタ
・エクスプレッション 標準ジャック
・ヘッドフォン×2 ステレオミニジャック

PX-S1100は上記3色、PX-S3100はブラックの一色のみです。

そのほか両機種の大きな違いをまとめると

  1. 音色の種類
  2. エフェクト・ピッチベントホイールの有無等シンセサイザー的機能
  3. ディスプレイによる操作性向上

違い①:音色の種類

PX-S1100の音色は18種類に対し、PX-S3100は700種類もあります。

PX-S1100はピアノやエレピ、オルガンとストリングスなどです。ピアノの演奏するには問題はありません。

PX-S3100はそれらのバリエーションが増え、さらに管楽器や弦楽器、シンセサイザーのサウンドなど非常に多彩です。曲ごとに音色も変わるようなバンドのステージピアノとしても使えるでしょう。

違い②:エフェクト・ピッチベントホイールの有無等シンセサイザー的機能

PX-S3100では波形やフィルターを駆使して音色を作り上げるというシンセサイザーの機能はありませんが、演奏面においてはシンセサイザーのように使えます。

リバーブ、コーラスなどのエフェクトをかけたり、自動で和音分散してくれるアルペジエーター、弾いた鍵盤の音程を滑らかに変更するベントホイール、といった機能はPX-S1100には搭載されていません。

またPX-S3100は200ものリズムパターンが内蔵されており、コードを弾くだけでそのリズムに合ったベースやギターの伴奏を自動で流してくれます。1台でアンサンブルを奏でることもできるわけです。

違い③:ディスプレイによる操作性向上

PX-S3100にのみ液晶ディスプレイが搭載されています。

音色の切り替えや設定などに便利です。

PX-S1100でもアプリを使えばわかりやすく操作できますが、ディスプレイがあればライブなどその場での素早い設定や現在の音色の確認などに便利です。

【選び方】趣味でピアノを弾く人ならPX-S1100がおすすめ

PX-S1100は6万円台、PX-S3100は8万円台で価格差は約2万円強です。

この価格差はちょうど専用スタンドと3本足ペダルの両方買えるくらいでもあります。

趣味でピアノを弾きたいという人はPX-S1100で、機能が足りなくて後悔することは無いでしょう。PX-S1100の方が圧倒的に売れています。

PX-S1100はこんなアナタにおすすめです

・ピアノを趣味で始めたい大人
・子どもの頃ピアノ教室に通っていた
・88鍵盤の電子ピアノで安さも品質も妥協したくない
・部屋に置きやすいコンパクトでスタイリッシュな電子ピアノが良い
・既にピアノは持っていて持ち運びやすいサブピアノが欲しい
・楽譜が読めないからBluetoothアプリでゲーム感覚で練習したい
・ピアノの音しか使わない

PX-S3100はこんなアナタにおすすめです

上記PX-S1100の理由にプラスして

・ピアノだけじゃない多彩な音色が欲しい
・バンドでも使えるシンセが欲しいけど、ピアノタッチが良くて、音を1から作り上げる必要はない
・2万円の価格差ならとりあえず機能が多い方が良い(大は小を兼ねる)

予算が6万円でも踏ん切りがつかない、、、というアナタは2〜3万円のキーボードから始めても良いかもしれません。

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