●キーボードじゃなく、”ピアノタッチ鍵盤”が良い
●予算は10万円前後
はじめて電子ピアノの購入を考えた時に、最も需要が多い条件がこの2点です。
そこで候補に挙がるのが「卓上電子ピアノ」と「据え置き型電子ピアノ」です。
この2種類のどちらを選べば良いか、楽器屋店員のyamaが解説します。
●卓上電子ピアノ:鍵盤部分だけのコンパクトな電子ピアノ。テーブルなどに置いて使えます。気軽に楽しみたいならこちらがおすすめ。デメリットはペダル操作がしづらいこと。
●据え置き型電子ピアノ:スタンドとペダルが一体型になった電子ピアノ。しっかり練習して早く上達したいならこちらがおすすめ。デメリットは置き場所を確保しなければならないこと。
卓上型 | 据え置き型 | |
---|---|---|
価格 | 4〜6万円 | 7万円〜 |
鍵盤タッチ | △ | ○ |
音質 | △ | ○ |
持ち運び | ○ | × |
理想の姿勢で演奏 | △ | ○ |
組み立て | 不要 | 専門業者 (一部自分で組立て) |
メリット | ●4〜6万円で比較的安い ●部屋に置きやすい ●持ち運びができる ●電池で駆動する | ●理想的な姿勢で演奏できる ●鍵盤タッチの質が高い ●音質が良い ●椅子やヘッドフォンが付属するものもある ●専門業者が自宅で組み立ててくれる |
デメリット | ●理想的な姿勢で演奏するためのセッティングが大変 ●ペダルが固定されない ●専用スタンドとペダルを買うなら、据え置き型が買える金額 | ●卓上電子ピアノよりも高価 |
卓上電子ピアノのメリット・デメリット
メリット①:比較的安い
卓上電子ピアノは「CASIO CDP-S110」なら4万円台。人気の「CASIO PX-S1100」や「YAMAHA P-125a」は6万円台です。
据え置き型だと安くて7万円台から10万円台くらいの価格です。
キーボードのようなバネ鍵盤では無くピアノタッチが良くて、できるだけ低予算なら卓上電子ピアノ一択です。
メリット②:部屋で場所をとらない
88鍵盤部分はピアノのサイズと同じですが、鍵盤の構造を簡略化して省スペースな奥行きを実現。
スピーカーも独自に開発してコンパクトに収めています。
据え置き型電子ピアノほど大きくないので、部屋に置きやすいです。
弾かないときに片付けることもできます。
メリット③:持ち運びできる
サイズがコンパクトで重量が10kg程度なので、据え置き型電子ピアノよりも持ち運ぶことが容易です。
違うお部屋で練習したり、外部スピーカーに接続してライブ演奏するのに便利。
持ち運び用のケースが別売りされています。
メリット④:電池駆動でどこでも演奏できる
電源はコンセントに挿すアダプターだけではありません。
乾電池でも駆動可能です。
デメリット①:理想的な姿勢で演奏しづらい
本来のピアノは鍵盤部分の床からの高さは一定です。
演奏者はそれに合わせて、椅子の高さを調整することで、理想的な姿勢で演奏できます。
卓上電子ピアノは、テーブルの上に置いたり、簡易的なキーボードスタンド上で演奏することがほとんど。
気軽に演奏できるとも言えますが、ピアノ本来の高さに合うテーブルは簡単に用意できないのではないでしょうか。
デメリット②:ペダルが固定されない
サスティン(ダンパー)ペダルは、卓上ピアノ本体とケーブルで接続します。
特に付属のものは軽量で、床に固定されないので、演奏中に場所がずれる可能性があります。
鍵盤の高さ同様、ピアノ本来のペダルの位置も慣れないとわからないでしょう。
ローテーブルに置いても弾けますが、それだとペダルが一切使えないので、演奏面で不満が出てくるでしょう。
デメリット③:専用スタンドとペダルを揃えると据置き型が買える金額になる
卓上電子ピアノでも、その機種専用のスタンドと、スタンドに固定できるペダルが別売りされているものがあります。
前述のデメリットを克服できますが、それらを揃えると本体6万円+スタンド・ペダル2万円=合計8万円くらいの価格になります。
これでは据え置き型電子ピアノが買える金額になってきます。
スタンド・ペダルは後から買うことにして、購入時の支払額を抑えるという選択肢もあるとも言えます。
据え置き型電子ピアノのメリット・デメリット
メリット①:正しい高さ、姿勢で演奏できる
床から鍵盤までの高さは、本来のアコースティックピアノと同じくらいの高さです。
ピアノ専用の椅子を使うことで、理想的な姿勢で演奏できます。
正しいフォームで演奏することで、上達の早さも見込めます。
メリット②:大きいので鍵盤の構造が良い
ある程度、価格に比例する部分ではありますが、奥行きがある機種ほど、鍵盤の構造がグランドピアノに近くなります。
鍵盤のタッチが正確に音にも反映されます。
電子ピアノで練習してからアコースティックピアノを弾くときも違和感がありません。
メリット③:スピーカーのサイズが大きく、アンプ出力、音源のグレードから、音が良い
これも価格に比例しますが、卓上電子ピアノよりも音色がさらにリアルで自然です。
ピアノは低音から高音まで音域とても広いです。
低音の再生には大きなスピーカーが必須です。卓上電子ピアノはスピーカーのサイズが小さいので、低音の迫力に欠けます。
据置き型の上位機種になると、低音用と高音用で別々の大きさのスピーカーを備えます。
それを鳴らすためのアンプも大型化しており、アコースティックピアノと同じ音量と音圧で鳴らすことができます。
アコースティックピアノと同じくらいの音量で鳴らすことによって、指先のタッチの違いがハッキリと聞き取ることができ、上達につながります。
音源自体の質も高いです。
メリット④:椅子やヘッドフォンが付属するものもある
機種によっては専用のイスが付属したり、ヘッドフォンが付属するものもあります。
ピアノの予算のみで、ピアノが弾ける環境が整います。
メリット⑤:組立て設置は専門業者がやってくれる
10万円以下の機種を除き、大型家電の用に専門が家まで届けてくれますし、組立ても行ってくれます。
ダンボールなど大量の梱包材も持ち帰ってくれるので、ゴミ出しが大変になることもありません。
ただし、配送業者と設置の日を決めて、家で待っている必要があります。
デメリット①:卓上電子ピアノよりも高価
卓上電子ピアノよりも、グランドピアノの再現度が高いですが、価格も高くなります。
最安クラスなら7万円台くらいからありますが、機能が充実しているのが10万円くらいからです。
気軽に楽しみたいなら卓上、早く上達したいなら据置がおすすめ
卓上電子ピアノは、据え置き型に比べれば音質・鍵盤でやや劣りますが、低品質というわけではありません。上級者でも楽しんで演奏できるレベルです。
価格が安いので気軽に始めたい方は、卓上電子ピアノで決まりです。
据え置き型電子ピアノは、せっかくピアノをするなら、しっかり練習して早く上達したいという方におすすめ。
特にレッスンを習っている場合、レッスン会場ではアコースティックピアノを使います。
同じ姿勢で復習・練習することができる観点からも、据え置き型を強くおすすめします。
●お手頃価格でピアノをはじめたい
●いつでも気軽にピアノを弾きたい
●狭い部屋に置きたい
●いつも使っているデスクに置きたい
●しっかり練習して早く上達したい
●レッスン時に近い環境で練習したい
●置き場所は確保できる
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