・Rolandの一番安い据え置き型電子ピアノって実際どうなの?
・RP107とF107の違いはなに?
というアナタに楽器屋店員のyamaが、ローランドの最も安い据え置き型電子ピアノ「RP107」と「F107」を徹底解説します。上位機種と比べて劣る点をデメリットとして書いたガチレビューです。
・10万円以下なのに一流メーカーのクオリティを実現!ローランド電子ピアノの最安機種です。
・上質な音色と弾きやすさが初めての電子ピアノとして、十分な品質。
・低価格を実現するためにカラー1色展開であることや、音色の種類など上位機種より劣る点はあります。
・RP107とF107の違いは外観デザインのみです。RP107は安定感のあるスタンダードな形状。F107はスリムな形状
RP107とF107の特長
特長①:Rolandで10万円以下の最も安い据え置き型電子ピアノ
Rolandは楽器をしていない人にとっては馴染みがないブランドかもしれません。しかし世界で始めて鍵盤を押す強弱で音色が変化する電子ピアノを開発。2020年には東証一部に再上場しています。
そんなYAMAHAに並ぶ電子ピアノブランドRolandで、いま最も安い据え置き型電子ピアノがRP107とF107です。
はじめてピアノを買う人にピッタリな電子ピアノです。
市場相場価格は95,700円。
特長②:上位機種と同じ上質な音色
音源は上位機種RP701/F701と同じ「スーパー・ナチュラル・ピアノ音源」を採用しています。
弱く弾くと優しく柔らかく、強く弾くと煌びやかで張りのある音色に変化します。
音色の特徴はローランドならではの、煌びやかで伸びのある耳馴染みの良いピアノらしいサウンドです。
特長③:上質なピアノタッチ鍵盤
「PHA-4(プログレッシブ・ハンマー・アクション4)スタンダード鍵盤」というRoland独自の鍵盤を採用。
ゆっくり弱く押すとよくわかる通り、途中でカクンっとなるクリックが付いている、グランドピアノの演奏感を再現しています。
鍵盤の大きさはグランドピアノと同じサイズで、白鍵は象牙調仕上げで手触りもスムーズです。
演奏者のタッチを再現する音色の変化は、キーボードとは一線を画します。初めてのピアノとして購入しても、不安になることはないクオリティです。
特長④:練習と設定に便利なBluetooth接続アプリ
この電子ピアノはスマホやタブレットとBluetooth接続することで、便利な機能が使えます。
YouTubeやSpotifyなどの音楽を、電子ピアノのスピーカーから再生することができます。電子ピアノのスピーカーは大きいので、スマホで聞くよりもダイナミックで迫力があり細部の音も聞こえるので、いつもより好きな楽曲がもっと魅力的に感じられます。
もちろん音楽に合わせて一緒にピアノを演奏することもできます。
また無料アプリ[Roland Piano App]を使えば、ピアノの音色の変更や、タッチ感の変更、メトロノーム、トランスポーズなど、電子ピアノの設定が視覚的にかんたんに行えます。
ゲーム感覚で楽しみながら、耳のトレーニングができるフラッシュ・カードや、内蔵曲377曲の譜面表示などピアノの上達をサポートする練習機能もあります。
特長⑤:1台を2人で弾けるデジタルならではの機能
鍵盤を2つの同じ音域に分けて、家族や講師と一緒に演奏することもできます。
ヘッドフォン端子も2つあるので、2人同時に夜間の演奏も楽しめます。
RP107とF107のデメリット
デメリット①:上位機種には表現力が劣る
8Wスピーカー2つ搭載しています。これは据え置き型電子ピアノとしては出力が弱いです。
ですのでグランドピアノやアップライトピアノと同じような音量でならそうとしても、同じような表現力、タッチの繊細さまでは再現しきれません。
20万円台の電子ピアノと比べても、低音域や高音域の解像度が低いことで、音色の品質は劣ります。
とは言え、コンクールを目指すためにレッスンに通うお子さんや、趣味でも本物志向の大人の方でなければ、不満が感じるレベルではありません。
デメリット②:鍵盤素材が樹脂製
こちらも”上位機種と比べると劣る”というレベルの話です。
本物のピアノは木製鍵盤なので、電子ピアノの高級機種にも木製鍵盤が採用されています。
この電子ピアノはプラスチック製ですが、白鍵はさらっとした象牙調なのでキーボードのようにチープでカチカチする手触りではありません。
デメリット③:音色の数が少ない
内蔵音色は15種類。上位機種は100種類を超えるものも珍しくありません。とは言え、練習用のピアノとしては全く問題ありません。ピアノの音色でも複数種類選べますし、オルガンやエレピの音も入っています。15種類は以下の通り。
- コンサートピアノ
- バラードピアノ
- メロウピアノ
- ブライトピアノ
- ステージEP
- ポップEP
- マジカルピアノ
- ハープシコード
- チェレスタ
- ビブラフォン
- パイプオルガン
- コンボオルガン
- スローStr1
- ソフトパッド
- ジャズスキャット
下記動画 2:32〜各音色が聴けます。
デメリット④:ディスプレイがなく操作が面倒
電子ピアノならではの機能として、音色の切り替えやメトロノームのテンポ変更が可能ですが、ディスプレイが無いので操作が面倒です。加えて現在の状態も視認できません。
これらは設定ボタンを押しながら当該の鍵盤を押して切り替えができますが、説明書が必須です。
ですので、これらの操作にはBluetoothアプリのスマホ・タブレットが必須と言えます。アプリを使えば説明書がなくても直感的に操作できます。
デメリット⑤:カラーは1色のみ
電子ピアノは大きいので部屋に置いた時に、部屋の印象が変わります。
ほとんどの電子ピアノは、部屋の家具やインテリアに合わせやすいように複数カラーが展開されますが、RP107 / F107はブラックのみ。
コストを極力下げるための策でしょう。1色に絞ったことで、逆に言えばコスパが高い製品と言えます。
RP107とF107の仕様
RP107 / F107 共通仕様 | |
---|---|
ピアノ音源 | スーパーナチュラル・ピアノ音源 |
最大同時発音数 | 256 |
音色数 | 15種類 |
鍵盤 | PHA-4スタンダード鍵盤:エスケープメント付、象牙調(88鍵) |
ペダル | ダンパー・ペダル(連続検出)、ソフト・ペダル(連続検出)、ソステヌート・ペダル |
スピーカー | 12 cm x2 |
定格出力 | 8W x 2 |
エフェクト | 音の響き、音の明るさ |
内蔵曲 | 計377曲 |
付属品 | 専用固定椅子 |
市場相場価格 | 95,700円 |
RP107とF107の違い比較
両機種の中身はすべて同じで、違いは外観デザインのみです。
RP107は従来のクラシックな電子ピアノの外観です。譜面立てに楽譜を置いたまま、鍵盤蓋を閉めることができます。安定感がしっかりあり、地震でも倒れづらいです。
F107は省スペースなデザイン。開けた鍵盤蓋が譜面立てを担います。脚に付属の転倒防止金具を取り付けることで安定感は向上します。
本体のデザインが違うので、スピーカーを鳴らした時の音の聞こえ方はRP107の方が豊かです。
サイズ | RP107 | F107 (転倒防止金具含む) |
---|---|---|
幅 | 1,378 mm | 1,360 mm |
奥行き | 410 mm | 345 mm |
高さ | 982 mm | 778 mm |
重量 | 37.0 kg | 34.5 kg |
●10万円以下で据え置き型電子ピアノが欲しい
●Bluetoothの便利機能を使いたい
●親子や家族など2人で一緒にヘッドフォンで演奏したい
●コンクールまでは目指さない子どものレッスン用
●趣味でも据え置き型で良い音と正しい姿勢で練習したい
●安定感があり、楽譜を置いたまま鍵盤蓋を閉めたいならRP107
●なるべく部屋を広く、スリムな省スペースが良いならF107
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