●レッスンに通い始めたから、家での練習用ピアノが欲しい
●ヤマハが一番有名で安心できるけど、どれが良いかわからない
●クラビノーバシリーズの機種ごとに違いが知りたい
楽器屋店員のyamaが、ヤマハのクラビノーバシリーズをどこよりも詳しく解説します。
聞き馴染みのあるヤマハの音が出る電子ピアノ。
グランドピアノと同じく鍵盤の弾き方で音色が変わるので、上達につながる高品質な電子ピアノ。
10万円台前半のピアノとは明らかに異なる、リアルな鍵盤タッチ。価格が上がるごとにリアルさが増します。
一番おすすめなのはCLP-745。
ヤマハでは一番安い木製鍵盤で、価格とのバランスに優れています。
事実、クラビノーバシリーズで一番人気の機種でもあります。
Clavinovaシリーズ共通の特徴
①:高音質なYAMAHA CFXとベーゼンドルファーのピアノサウンド
②:自然な弾き心地のエスケープメント付き鍵盤アクション
③:音源をさらに向上させるヤマハの独自技術
④:そのほか便利な機能
高音質なYAMAHA CFXとベーゼンドルファーのピアノサウンド
世界最高峰のコンサートグランドピアノ2種類をサンプリングして搭載しています。
ヤマハ CFX
ヤマハの最上位機種コンサートグランドピアノCFXは、日本のピアノらしい、広いダイナミックレンジを持つパワフルな音色。クリアで鮮明な高音と豊かで力強い低音のバランスに優れています。
クラシックやポップス・ジャズ、映画音楽やゲーム音楽など幅広いジャンルに対応します。
ベーゼンドルファー インペリアル
ベーゼンドルファーのインペリアルは、あたたかみがあり、柔らかで豊かな響きをもち、重厚で深みのある落ち着いた音色です。
バロックや古典派、室内楽などや、バラードやフォークなど歌の伴奏としてや、ジャズやポップスでも柔らかな表現が求められる楽曲に良く合います。
自然な弾き心地のエスケープメント付き鍵盤アクション
Clavinovaシリーズのグランドタッチ鍵盤は、エスケープメント機構を搭載し、アコースティックピアノに近いタッチ感と応答性を実現しています。これにより、繊細な表現力や力強い演奏が可能となります。
本物のピアノのように、弾き方で音色が変わる
アコースティックピアノに匹敵する表現力を実現する、グランド・エクスプレッション・モデリングを搭載。
- キーストロークの強弱に応じた音色の変化
- 音の持続時間や消音の速さのコントロール
- ハンマー・ダンパー・弦など内部機構の動きの影響
これらを再現することでグランドピアノ同様に、指先のコントロールによる音色の変化を無限に生み出せます。
内声の伴奏ラインと外声のメロディーラインを異なる音色で弾き分けたり、トリルやレガートといった奏法においても、鍵盤を押し込む深さに応じた音色の違いを表現できます。ドビュッシーの『月の光』では、緩いタッチから生まれる淡い音色の中に、くっきりとしたメロディーラインを輝かせたり、リストの『ため息』では、伴奏のアルペジオはメロディーを邪魔することなくそれを引き立てたり、メロディーはさまざまな表情を付けながら歌うような演奏ができます。また、ショパンの『ノクターン《遺作》』では、鍵盤の上澄みだけで演奏するトリルやレガートも、その奏法に応じた軽やかでスムースな音色表現ができるので、奏法テクニックを学びながら演奏を楽しめます。
音源をさらに向上させるヤマハの独自技術
バイノーラルサンプリング バーチャル・レゾナンス・モデリング(VRM) キーオフサンプリング
バイノーラルサンプリング
Clavinovaシリーズは、バイノーラルサンプリング技術を採用しています。これにより、ヘッドフォンでの演奏時に立体的な音響空間が再現されるため、自然な音像が楽しめます。
バーチャル・レゾナンス・モデリング(VRM)
VRM技術は、ピアノの弦や響板、筐体の共鳴を再現し、リアルな音響効果を提供します。これにより、アコースティックピアノと同様の奥深い響きが得られます。
キーオフサンプリング
キーオフサンプリングは、鍵盤を離した瞬間の音を捉えることで、ピアノの自然な減衰感を再現しています。これにより、よりリアルな演奏感を提供します。
そのほか便利な機能
デュアル、スプリット、デュオ メトロノーム 音色や設定が可能なアプリ「Smart Pianist」対応 豊富な内蔵曲
デュアル、スプリット、デュオ
デュアル機能を使えば、2つの異なる音色(例えばピアノとストリングス)を重ねて演奏することができます。これにより、より豊かな音楽表現が可能になります。
スプリット機能は、鍵盤を分割して異なる音色で演奏することができます。例えば、左手でベース、右手でピアノといった演奏が可能です。
デュオ機能は、鍵盤を同じ音域に分割し、2人で同時に演奏できる機能です。先生と生徒が同じピアノでレッスンを行うことができます。親子でも楽しめそうです。
メトロノーム
メトロノーム機能が搭載されており、正確なリズム感を身につけることができます。
ビートやテンポの調整が可能で、練習の質が向上します。
音色や設定が可能なアプリ「Smart Pianist」対応
無料アプリ「Smart Pianist」では、音色に関する様々な設定ができます。
本体のボタンで可能ですが、本体のディスプレイよりも視覚的にわかりやすく設定、変更できます。
そのほか、内蔵曲を選択して再生したり、スマホに内蔵された好きな曲のコード譜を自動作成もできます。
300曲を超える豊富な内蔵曲
Clavinovaシリーズには、多くの内蔵曲が用意されており、さまざまな曲を楽しむことができます。
ボイスデモ曲25曲、クラシック曲50曲、そしてレッスン曲303曲が収録されています。
これらの曲を利用して練習を行うことで、演奏技術や音楽理解を深めることができます。
CLP-700シリーズの仕様比較表
特徴 | CLP-735 | CLP-745 | CLP-775 | CLP-785 |
---|---|---|---|---|
市場相場価格 | 176,000円 (CLP-735PE:220,000円) | 242,000円 (CLP-745PE:286,000円) | 313,500円 (CLP-775PE:357,500円) | 375,000円 (CLP-785PE:456,500円) |
音源 | ヤマハ CFX, ベーゼンドルファー インペリアル | ヤマハ CFX, ベーゼンドルファー インペリアル | ヤマハ CFX, ベーゼンドルファー インペリアル | ヤマハ CFX, ベーゼンドルファー インペリアル |
グランドアコースティックイメージ | × | × | ○ | ○ |
鍵盤アクション | グランドタッチ-エス | グランドタッチ-エス | グランドタッチ | グランドタッチ |
鍵盤素材 | 樹脂製、象牙調・黒檀調仕上げ | 木製(白鍵)、象牙調・黒檀調仕上げ | 木製(白鍵)、象牙調・黒檀調仕上げ | 木製(白鍵)、象牙調・黒檀調仕上げ |
カウンターウェイト | × | × | × | ○ |
ペダル | ダンパー(ハーフペダル対応)、ソフト、ソステヌート | ダンパー(ハーフペダル対応)、ソフト、ソステヌート | GPレスポンスダンパー(ハーフペダル対応)、ソフト、ソステヌート | GPレスポンスダンパー(ハーフペダル対応)、ソフト、ソステヌート |
アンプ出力 | 30W x 2 | (50W + 50W)x 2 | (42 W + 50 W +50 W) x 2 | (50 W + 50 W +50 W) x 2 |
スピーカー | 16 cm x 2 | (16 cm + 8 cm)x 2 | (16 cm + 8 cm +5 cm + トランスデューサー) x 2 | (16 cm + 8 cm +2.5 cm (ドーム型)+ トランスデューサー) x 2、 スプルースコーン スピーカー |
最大同時発音数 | 256 | 256 | 256 | 256 |
音色数 | 38 | 38 | 38 | 53ボイス + 480XGボイス + 14ドラム/SFXキット |
Bluetooth | × | ○ | ○ | ○ |
操作パネル | ボタン | ボタン | タッチパネル | タッチパネル |
サイズ | 1,461 x 927 x 459 mm | 1,461 x 927 x 459 mm | 1,461 x 967 x 465 mm | 1,461 x 1,027 x 476 mm |
重量 | 57kg | 60kg | 71kg | 84kg |
CLP-735の他機種との違いと選び方
特徴
クラビノーバシリーズで最も安いCLP-735。
その分、他の機種と比べるとかなり機能が制限されています。
CLP-735のみ鍵盤が樹脂製のため、本物のピアノとの弾き心地に差異があります。
とは言え、10万円台前半のピアノと比べれば、弾き心地も上質です。
音源は上位機種と同じものを使用しており、音色もなかなか良いですね。
ただし、上位機種とスピーカーとアンプが異なるので、聞こえ方が少し劣ります。
逆にヘッドフォンで聞くのであれば、聞きおとりしません。
またシリーズで唯一、Bluetooth接続に対応していない機種です。
カラーバリエーション
カラーは全5色。
ブラックウッド調(B)、ニューダークローズウッド調(R)、ホワイトアッシュ調(WA)、ダークウォルナット調(DW)、そして本物のピアノのような艶のあるポリッシュドエボニー(PE)。
さらに島村楽器限定モデルも存在します。
島村楽器限定モデルSCLP-7350
・オリジナルカラー2色
・ピアノの音色数追加
・日本語操作パネル
・名曲セレクション50曲を追加内蔵
総合評価:メリット/デメリット
- 最高峰の音源を搭載した一番安い機種
- 上位機種と同じ音源を使用している
- 主にヘッドフォンを使うアナタにおすすめ
- アプリを使わないなら、安くてお得
- 鍵盤が樹脂製
- Bluetooth接続ができない
- Smart Pianistを使う時はUSBケーブルでスマホと接続する必要がある
CLP-745の他機種との違いと選び方
特徴
クラビノーバシリーズで最も人気なCLP-745。
その理由は ヤマハ製電子ピアノで”木製鍵盤”を採用した、最も安い機種だからです。
特にレッスンに通っているお子さんや、大人の方は、レッスン中は本物のグランドピアノを弾いていると思います。
グランドピアノには、木製の鍵盤が使われているので、家で練習するときもCLP-745なら違和感なく練習でき、早い上達が見込めるのです。
下位機種のCLP-735よりもスピーカーの数が増え、アンプ出力にも余裕があります。
本物ピアノくらいの音量で鳴らしても、豊かな低音から澄んだ高音まで綺麗に聞こえます。
CL-745の価格は約24万円、グレードが高いCLP-775は約31万円。
7万円も差があるので、価格から考慮してもバランスが良い機種と言えます。
カラーバリエーション
カラーは全5色。
ブラックウッド調(B)、ニューダークローズウッド調(R)、ホワイトアッシュ調(WA)、ダークウォルナット調(DW)、そして本物のピアノのような艶のあるポリッシュドエボニー(PE)。
さらに島村楽器限定モデルも存在します。
島村楽器限定モデルSCLP-7350
・オリジナルカラー2色(ダークアルダー調とホワイトウッド調)
・ピアノの音色数追加
・日本語操作パネル
・名曲セレクション50曲を追加内蔵
総合評価:メリット/デメリット
- 木製鍵盤を搭載した中で、一番安い機種
- 上位機種と同じ音源を使用している
- スピーカーで鳴らしても良い音
- 価格と品質のバランスに優れており一番人気
- レッスンに通っているアナタにおすすめ
- 鍵盤アクションが上位機種には劣る
CLP-775の他機種との違いと選び方
特徴
30万円を超える機種ですが、さらにグランドピアノのような音と弾き心地を再現しています。
特に鍵盤の弾き心地は、グランドピアノの弾き心地を追及しています。
CLP-745との違い
グランドタッチ鍵盤 GPレスポンスダンパー 響板から響いているような奥行きのあるサウンド 演奏に集中できる操作パネル
グランドタッチ鍵盤
グランドタッチ鍵盤は、ヤマハの電子ピアノの中で、最も長い鍵盤です。
本体内部に隠れて見えない奥まで鍵盤が長く伸びています。
黒鍵を多く使う曲などで、白鍵の奥側を弾くときも自然に弾けます。
また、88鍵盤ひとつひとつの重さが異なる、88鍵リニアグレードハンマーを採用。
グランドピアノに近いタッチ感で演奏できるため、上達が見込めます。
GPレスポンスダンパー
クラビノーバは全ての機種でハーフペダルに対応していますが、CLP-775以上のGPレスポンスダンパーペダルでは、踏み心地もグランドピアノを忠実に再現。
ペダルの踏み始めは軽く、ペダルの効果が出るところで重く感じます。
デリケートなハーフペダルの操作感を、体で覚えることができます。
響板から響いているような奥行きのあるサウンド
没入感ある演奏体験で、練習に集中できます。
コンパクトな電子ピアノながら、グランドピアノを弾いているかのような、奥行きや立体感が感じられる音響設計「グランドアコースティックイメージ」。
最新の音響設計・測定技術と、6つのスピーカー+トランスデューサーを使うことで実現しています。
実際にハンマーが弦を打っているような感覚や、重厚な鳴りが響板全体から聞こえてくるような奥行き・立体感が得られます。
演奏に集中できる操作パネル
本体のコントロールパネルはボタンが無い、タッチセンサーパネル。
ピアノ演奏中は表示パネルが消灯するので、ボタン型のように視界に入って気が散ることもありません。
興味が移りがちなお子さんにも良いですね。
カラーバリエーション
ブラックウッド調(B)、ニューダークローズウッド調(R)、ホワイトアッシュ調(WA)、ダークウォルナット調(DW)、そして本物のピアノのような艶のあるポリッシュドエボニー(PE)。
島村楽器限定モデルはありません。
総合評価:メリット/デメリット
- より本格的な鍵盤タッチとペダル操作を、身体に染み込ませられる
- 没入感ある演奏体験ができる
- 予算30万円ならおすすめ
- 30万円を超える価格
CLP-785の他機種との違いと選び方
特徴
クラビノーバシリーズ最上位機種のCLP-785。
CLP-775(31万円)とCLP-785(37万円)の違いは、鍵盤に仕込まれたカウンターウェイト、スピーカーの素材、音色の種類の多さです。
さらにグランドピアノの弾き心地に近づいた鍵盤
グランドタッチ鍵盤・88鍵リニアグレードハンマーに加えて、「カウンターウェイト」を採用。
グランドピアノの鍵盤には、おもりが付いています。
CLP-785も同様におもりを仕込むことで、ピアニシモなどの繊細なタッチでの演奏性を高めています。
ピアノの響板と同じ木材を使ったスピーカー
グランドピアノのような音の立ち上がりを実現しました。
ピアノの響板にはスプルースという木材が使用されています。
CLP-785はスピーカーの素材に、同じスプルースを採用。
グランドピアノさながらの音色を再現しています。
音色の種類が多い
CLP-785では他の機種にもあるピアノやストリングスの音でも、さらにバリエーションが多いです。
とは言え、他の音も十分いい音なので、こだわりが無ければ必要ないかもしれませんね。
カラーバリエーション
カラーはブラックウッド調(B)と、鏡面艶出しのポリッシュドエボニー(PE)の2色です。
総合評価:メリット/デメリット
- クラビノーバで最もグランドピアノに近い弾き心地と音色
- カラーバリエーションが少ない
- この価格なら約44万円のハイブリッドピアノYAMAHA AvantGrandの方がおすすめ
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